まだまだいらない
結婚したのが42歳。
なのに、まだまだ子供が欲しいなんて思っていなかった。
昔から、子供は好きでも嫌いでもなく、自分が親になるなんて考えてもおらず、結婚後も相変わらず仕事をしたり夫と出掛けたりするのが楽しくてこの生活が続く事だけしか考えていなかった。
だって、人生初の新婚生活。
出掛ける時も帰った時も、出迎える時もあるのは、お馴染みの親の顔ではなく夫の顔。
二人で食事をしながら週末どうするか話したり、家事を共同作業したり…
二人の生活が新鮮で楽しくて…
ちょうどその頃、「卵子の老化」がTVで放送されていて、年下の同僚に
「欲しいなら早目に病院に行くなり行動した方がいいよ」
などと心配されていたけど、私の年齢ど真ん中の話でも他人事のように聞いていた。
なぜか私は違う、卵子の老化は関係ない、欲しくなったらその時にすぐに出来ると信じていた。なんの根拠もなく…
自分だけは違う、関係ない。
こう思いがちだけど、実際はそんな事なくて、どんな事でも自分は違う、関係ないなんて事ないんですよね~。
生きている限り、この世界で起こる事はいつ自分に起こるか分からないし、加齢に伴うあらゆる事柄は誰でも平等にやってくる。
それが早いか遅いかの差だけ。
でも、分かってはいるけれど、私だけは当てはまらないんじゃない?なんて往生際の悪い自分がどこかにいるのも事実で。
卵子の老化なんて関係ない。
そんな風に密かに思っていたため、特に何もする事もなく過ごした私。
クリニック通いを決意する2年前の話です。